ちゃんとした実感がないんだけど、

恋ってこういうものなの……?



「姉ちゃん、味噌汁こぼれてるけど」


「えっ……?
うわっ!!ほんとだ!!」



朝ご飯を食べてる最中も、そればかり考えていて、気づいたら机に味噌汁がダバッーーーとこぼれていた。



慌てて近くにあった布巾でテーブルを拭く。

いけない、いけない。


わたしってば、このことばかり考えて……



「なに、成宮先輩のことでも考えてんの?」


「ブーーーーーー!!!!」


「うわっ、汚な……」


次は噴き出してしまう始末。



「は、はあ!!!?
そんなわけないでしょっ……!?」


なんで分かんのよっ!!?



「あ、図星だ」


「ちがうからっ!!!」


「そんな照れなくても、彼氏じゃん」



なんてソファーからこちらをニヤニヤ顔で見てくる侑。

なんでそんな楽しそうなわけ!!?


「てか、侑、今日部活は?」


この流れだと絶対からかわれるパターンだと思い、話をうまく切り替えるわたし。

我ながら下手すぎる……