学校じゃ見たこともない素顔。

初めて知る工藤くんの一面に私は今日だけで何度、驚かされたのだろう……。


ずるいよっ、工藤くん……!!
レッドカードだよ!!



「反則だよ……。私だって、絶対ドキドキさせるよ!工藤くんが、ビックリするくらい!だから覚悟してて……ください……」



最後の方は自信喪失してしまってつい敬語になる。

恥ずかしさに負けた私は肩を縮めた。



「覚悟するのはお前の方だと思うよ?」


「私が……?」


どうして、と目をパチパチさせれば、



「ドキドキしすぎて倒れないようにな?」



工藤くんが私の耳元で甘く囁いた……。



工藤くんの吐息が耳にかかって今にも気絶してしまいそうだったなんて。


たった今……私の方からドキドキさせると宣言しておいて、言えるはずもないのだった。