ケータイ小説 野いちご

闇の果ては光となりて

昨日は酷い目にあったよ。
総長の説教の長い事ったらない。
本当に、総長はお父さんポジションだ。
だいたい挑発した事が何故バレた?
告げ口したのは岸辺か? あのアフロか?
彼等にはもう会う事は無いかもしれないけれど、心のデスノートに一先ず書いておく事にしよう。

しかし、眠くてが仕方ないなぁ。
教壇に立つ古文の先生が教科書片手に朗読してるのを、机に肘をつき頬杖で見つめる。
耳に入ってくる難しい言い回しに、何度も意識が刈り取られそうになるのを必死で我慢していた。
シャーペン片手に真面目に授業を聞いてるクラスメイト達を、ぼんやりと見渡した後、黒板の上に掛けられた時計に目を向けた。
後・・・5分、もうすぐ昼休みだ。
クウッと小さくお腹が鳴ったのは、私の腹時計が正確な証拠だ。


隙を持て余しながら迎えた授業の終わり。
チャイムと共に退屈な授業とお別れだ。
ざわざわと賑やかになら教室。
クラスメイト達が思い思いに動き出す。
さぁて、私も移動しようかなと、手を伸ばして伸びをした。
「神楽、学食に行くわよ」
スマホと財布を手にツッキーがやって来た。
「うん・・・ふぁぁ」
「随分と眠そうね」
大きな欠伸をした私に、ツッキーが呆れ気味に苦笑いを浮かべた。
「昨日、遅かったから」
総長のせいでね、とは言わない。
「口の端が切れてる事と関係あるのよね?」
私の口元に鋭い視線を向けたツッキー。
頬の腫れは朝には引いていたんだけど、口の端が切れたのは治ってなかった。
霧生達には一日ぐらい休めって言われたけど、テスト前だからと無理を押してやって来た。
でも、まぁ・・・ツッキーには話すつもりでいたからいいんだけどね。
怒られそうで怖いな。
「まぁね」
曖昧に笑ったら、口元の傷が痛んだ。
「行くわよ」
そう言ったツッキーの瞳は、洗いざらい話せと言ってる気がした。
ひぃぃ〜怖い。 




「で、それはどういう事なのかしらね?」
ツッキー、箸で人を指すのは行儀が悪いよぉ。
学食のテーブルに対面に座るツッキーは、Aランチのサラダを食べながらこちらを見てる。
「まぁ、簡単に言うと鬼夜叉に攫われたんだよねぇ」
アハハ〜と笑って誤魔化したら、凶器的な瞳で睨まれた。
怖いよ、ツッキー。
「笑って誤魔化すな。それって、野良猫絡みなのよね」
「あ、はい、そうです」
「あいつ等、どうしてやろうかしら」
「いや、どうもしなくていいからね」
ツッキーが好戦的過ぎる。
「無事だったのよね?」
「うん、この通り一発食らっちゃっただけです」
「女の顔を殴るだなんてクソね」
確かにクソ野郎だったけどね。
ツッキーが辛辣過ぎる。

< 64/ 142 >