途端に全身の力が抜けていく…
…え………何これ……
「大人しくしててね。妃芽乃さん」
八王子くんはにこにこした笑顔を私に向けると、通話ボタンをタップ。
私は腕を動かそうとしても、足を動かそうとしても全く動かない。
声を出そうとしても出なくて、ただ八王子くんと電話越しの詩優の声を聞くことしかできない。
自分の体じゃないみたいだ……
急に瞼が重くなる。
………助けて……詩優……
寝たくないのに眠気まで襲ってきて……
耐えきれなくなって私は目を瞑り、意識を手放した。
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