「…お願いだから…私のことは忘れて……もう関わらないで……

詩優といると辛いの……」



我慢していた涙がぽたり、とこぼれ落ちた。



「…………何でだよ……急に俺のそばからいなくなって……忘れるなんてできるわけねぇだろ」



聞こえてくるのはひどく悲しい声。雅さんを選んだくせに………


これはあんまりだ。



「帰って!!!!!!」



私は自分の部屋に走って戻る。もう声も聞きたくない。お願いだから私のことはきれいさっぱり忘れてほしい。




私だって詩優を忘れなくちゃ……いけないのに…







しばらく忘れられそうにはない。