ウィーン。

コンビニに入る。


店内には
美味しそうなお菓子やお弁当が並ぶ。


買って帰ろうとしたとき、
ふと“ある考え”が過った。


「もし私が万引きしたら……
……お母さんはどうするのかな?」


ごくっと息を飲む。


うまく説明できないけれど……


“バレったていい。
それでお母さんが困るならいい復讐になる”


そんな感じの、今思えばくだらない理由で、私はお菓子を万引きしようと決心した。


店員の視線を観察する。


「よし……」


タイミングを見計らい、イチゴ味のグミのお菓子を制服のポケットに入れる。


そのままダッシュで店を出た。