雪が降りそうなくらい寒い…




そんな中、コートも着ないでマフラーも手袋もつけず全力で走る




頬に当たる風が冷たい




でも走らなくちゃ間に合わない。門限までに…




「…た、ただいま…」




息を乱しながら家の扉を開ける。




「…おかえり。今日は遅かったね。1分遅刻してるよ?」




気持ち悪いくらいの笑顔で私を迎える。この人は……私の父親。




「…ご、ごめんなさい……」




「いいから。早く中に入りなさい」




腕を掴まれ、無理矢理リビングに連れていかれた。




「きゃっ」




私を床の上に投げ捨てるようにすると、お腹を蹴りを入れられた。





何度も、何度も…







門限の17時に遅れると、父は必ず私に暴力を奮う。制服から見えないところだから、誰も私の傷に気づかなかった…





だけど…唯一京子だけは私の異変に気づいたんだ。その時は隠すつもりだったけど、傷を実際に見られてしまっては言い訳が通用しなくて……



本当のことを打ち明けた。私は京子に「誰にも言わないで」と言った。



京子は複雑そうな顔をしていたが、しばらく経ってから「…わかった。でも本当に困ったことがあったらすぐに言うんだよ?」と言ってくれたんだ。




京子はそれを知ってからも変わらずに私と親友でいてくれる。




この世界で本当に大好きな親友…





京子と明日も学校で会えるって思うだけでこれくらいの痛みは我慢できる。