そして、あんなに苦痛だった学校が楽しくなった。



今の中学に転入したのは中2の夏休み後。


すでに男女ともに仲の良い子同士固まってはいたけれど、クラスメイトたちは人見知りなわたしを受け入れてくれた。


しかも、中2から中3にかけてはクラス替えがなく、仲良くなった子と引き続き一緒にいることができている。



「綾ちゃんおはようー!」


「おはよう。あれ、前髪切った?」


「げ。切ったのわかる? 自分でやったら見事に失敗した!」



クラスメイトの朱里ちゃんと下駄箱で会い、一緒に教室へ向かった。



「そう? 似合ってるよ! 髪型と合っててかわいい!」


「ちょ、真正面からほめるのやめてよー! マジ照れるから!」



ボブヘアをふわふわ揺らし、くるくる表情を変える朱里ちゃん。


彼女はわたしのことを親友と言ってくれる。