ケータイ小説 野いちご



シュッ

「......!」

何かがすれる音がし、京子の横を何かが通った。

(白夜の光...最初に見せた攻撃...)

京子は冷静に目の前を睨む。
さっきの攻撃はわざと外してのだろうと京子は考える。

(燐からは私のいる場所が分かる...と考えた方がいいかしら)

京子は慎重に身構え、集中する。

「白夜...炎天(えんてん)」

また、燐の声が聞こえた。
そして、発した言葉を聞き京子は やばい と一瞬焦る。

(炎天...声からして...ここまで)

京子は燐の声がしたであろう場所から遠くに離れる。

すると、元いた場所を含めてオレンジ色の円形が広がると共に爆発する。

爆風でなびく髪を抑えながら ホッ とした。
しかし、それと同時に ヒヤッ ともしていた。

(やっぱり...炎天の範囲が広がっている
余分に距離を取っておいてよかったけど)

どうしたものか と京子は思考を巡らせる。

ちなみに炎天とは指定した範囲の中を極夜から白夜に変えたもの。

極端に白夜の時間を凝縮して指定した範囲に現したため、温度が上がり爆発したのだ。

(仕方ないわね...)

「時化...荒波夜 (あらなみよ)」

京子は真上に飛び、体を捻る。
それと同時に時化を優雅に振っていく。

「っ......!」

どこからか燐の声が聞こえた。
向こうも京子と同じように苦戦しているのだろう。

(荒波夜...白夜と似た性質をもつ時化ならば炎天を取り込むことができるはず...)

京子がそう考えているとさっきよりも大きい爆発音がした。

予想通り、炎天を取り込み燐に攻撃することが出来たようだ。

瑠璃『なっ、何が起きているのでしょうか...
フィールドは真っ暗で何もわからない状態です...』

夏希『恐らく見えていない状態で闘っているのでしょうが、お互いどこにいるのか把握はしているのでしょう...

えー、結果外ではモニターの映像が映りますので皆さんはそちらをどうぞ。』

結果外は極夜の対象となる範囲ではないため暗くなることは無いがフィールドは暗くて何が起きているのかが分からない。

分かるとしても、何かしら爆発したということだけだ。

何とか、モニターには2人の姿が映っていた。
フィールド内にあるカメラも対象外なのだろう。

夏希『確認したところ、先程の爆発は鈴鐘選手側で起こったようですね。』

夏希の言葉を聞いて堺人は内心ヒヤッとしている。

状況が全くつかめずからのさっきの爆発、燐は無事なのだろうかと心配になっている。

(あっ無事だな。若干スレ傷があるかな)

液晶画面に映る燐はホッと胸をおろしている状態であった。

しかし、また鋭い目で京子のいる方向を見た。

「こいつはすごいな...
こんな大規模で長時間の試合は歴代の中で一番だぞ。」

この大会に出場経験があり、教師になってからも監督役として生徒を見てきた圭ですら驚いている。

「体力は大丈夫なんでしょうか。
これに勝っても次の試合が...」

堺人は心配そうな顔で圭に問いかけた。
圭も苦い顔のままであった。

「正直分からんな...
この試合でどれだけの体力、集中力、魔力を取られるか。

そして、どれだけの怪我をするかだな。」

戦闘後のダメージは直ぐには抜けない。
それは、実際怪我をしていなくとも精神には響いている。

今は怪我をしている部分が見えるが実際は怪我をしておらず、ただ分かりやすいように傷を負って見えるようになっている。

そのため、よく見ると血は出ていない。

(頑張れ、燐)

堺人は指に力を入れて握った。

(やられたな。
やっぱり、昔と全然違うよ...)

ふぅ と一息ついた燐はまたも白夜を構えた。

すると、凪からの攻撃が白夜にあたる。
それと同時に光り輝きそのまま京子に向けて振る。

最初のときよりも威力が小さかったため簡単に凪を飲み込んでしまった。

お返しとばかりに振るったものだった。
もちろん、爆発音などはなく京子が攻撃を無にしてしまったことが分かる。

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