今まで知らないフリをしていた陸くんが焦った様子で私を見る。


 だけど、陸くんは私に言い返す事はしない。



 言い返すのはいつだって、


「……………何言ってんの美羽!! 陸は美羽しか考えてないの! 私が代わりになれるワケないじゃん」


――陸くんに好かれたいサナだ。



 私は二人の何なんだろう………


 今まで二人以上に大切に思える人はいないと思って過ごしてきた自分が惨めで、


「…………本当はさ、堀内とデキてんだろ? だから別れたいんだろ??」


やっと陸くんが口を開いたかと思えば、『分かってたよ』とでも言いたそうな口調で、サナと一緒に私を責め出した。