「これ? 体育の授業でこけたの」


そう答えて腕にできたアザをさする小春ちゃん。


「こんな所にアザができるなんて、どんなこけ方したの?」


肘より上にできているアザに首を傾げるあたし。


なにかにぶつかったのなら理解できるけれど、こけたときにできるアザにしては位置が高い。


両手をついてガードするような暇もなく、こけたんだろうか。


「あたしドジなんだよねぇ。運動とかすっごく苦手なの」


「そうなんだ?」


「うん。体育の授業も大嫌いで、本当はいつも休んでたいくらい」


そう言って大げさにため息を吐き出す小春ちゃん。


その仕草に思わず笑ってしまった。


あたしと違って運動は苦手なようだ。