思い出すだけでツラい…。


記憶は嫌でも私を苦しめる……。


忘れたいのに…。


「悠瞳ー、ちゃんと食わないと倒れるぞ」


ふすまの向こうから設楽さんの声がした。


…設楽さんはきっと優しい人……。


優しい人ほど怖い…。


裏があるから…。


先生みたいに……。


「キッチンに、お菓子とかあるから腹へったら勝手に食っていいからな」


優しくして懐いたら、ストレス処理機みたいに扱うんだ。


だから私は信用しない。


何の役にも立たない優しさなんて…信用できない…。