中央病院。303号室。



他には誰もいない病室で

ベッドの上にふたり、

並んで座っていた。



二人の間には人ひとり分くらいの隙間があって、なんだかとても、ぎこちない。




瑞季くんは、ゆっくりと話してくれた。



手紙のこと。

お母さんのこと。

自分が継ぐ会社のこと。

婚約者のことも、全部。



窓の外の雪を眺めながら、

時々、私の目を見つめて。