「……お前ら、どっから聞いてたの?いつもなら気づくはずなのに、気づけなかったし」


「えっとねー、『私を、守るために……私を、死なせないために、愛を告げてくれているのなら……春馬さんと、同じことをさせているなら……』って、とこから」


「ほぼ、全部じゃねーか!」


思わず、そう叫ぶ。


すると、莉華伯母さんを抱き締めた陽向伯父さんが、さらっと


「相馬、結構前からいたよね。わざと、無視してたけど」


そう言って。


俺はまた、突っ込む。


「あんたも意地悪いな!陽向伯父さん!」


「そうー?いつもは一人称が“僕”のくせに、たまに、“俺”になって、しかも、そっちが本性で、人を惑わしてばかりいる総一郎には言われたくないなー」


でも、彼には倍返しにされるから。


これ以上は、言えなくて。


「これくらい、沙耶にはちょうど良いよ」


陽向伯父さんはニヤリと、笑う。


そして、


「自分がどれ程、愛されているのか思い知れば良いんだよ」


と、嗤った。


その笑顔は、とても、怖かった。