「御園はOK、千羽もOK、楪も多分大丈夫、神宮寺は連絡するとして、姫宮も飛鷹に連絡しないと……焔棠は絶対的に大丈夫ね」


沙耶の元により、沙耶の背中をさすっていた梨華にお願いする。


「梨華、闇璃に手紙の分析を頼める?」


「ええ、頼めば!」


「なら、お願い。鈴蘭、大地にさ、車の手配と飛鷹への連絡をお願いして。多分、今日のスケジュールなら、一緒にいるから」


「わかった!」


「朱里と燐は、うちの使用人から冷たい水とタオル、包帯、ガーゼ、それから、消毒液も!絆創膏もあると助かるかも……あ、紙袋を持ってきてほしい。あと、病院の手配も。父様に連絡するように、言って貰える?」


「「はい!」」


沙耶はグッタリとしていて、抗おうとしているけど……今の状態じゃ、絶対に無理だ。


「沙耶、双子や柚香のことは任せて。大丈夫、大丈夫だから。とりあえず、自分の身体のことを考えて。ね?」


沙耶は、なにも言わなかった。


ただ、涙を流していて。


「相馬……」


その一言を呟いて、意識を失った。


沙耶の手からは、変わらず、鮮血が溢れだしていた。