「...うん、もういいの。」





「なんでだよ。バスケ好きなんじゃないのかよ」




なんでって、腕が動かないからなんて言えない。





「ち、違うの!さやは────」





「やめて莉花!」




莉花はハッとしたように私を見た。




その瞳は揺れている。




「.....もうバスケとかいいかなって思って。飽きちゃったんだよね。」





「飽きたってなんだよ」





「そのまんまだよ?そりゃ小2からやってたら飽きるって。」





私たちの間に、張り詰めた空気が流れる。





「.....じゃあね。」





先にこの空気に耐えられなくなったのは、私だった。





2人に背を向けて歩き出す。





飽きたなんて嘘だよ。





本当はバスケをやりたい。




出来ないんだよ。





そんな風に怒らないでよ。





私に失望したでしょう?




もう持っているのかも分からないけれど、持っているのならリストバンドを捨ててよ。




だって、もう約束は果たせないのだから──────.....。