「バレた!?何でそんなに注意力がないんだ!!」


「なっ!?しょうがないでしょ!!まさかいるなんて思わないもの。」


私は聞いていて馬鹿らしくなった。


2人とも知っててそんなことして。


本当に腐ってる。


私は呆れて階段を登ろうとすると、


「・・・・・こうなったのは、桜がいなくなってからだ。」


そう言うお父さんの声が聞こえた。


私は立ち止まってリビングの方を見る。


「桜さえいれば。・・・・・桜が俺の生きがいだったのに。なんで、なんで死んでしまったんだ!!」


泣き叫ぶお父さん。


「そんなの、私だってそうよ!!いなくなった悲しみをどうにかしたかっただけなのに、あなたは私を救ってくれなかった!!・・・だからそうなったのよ。」


お母さんが静かに泣きながら話す。


「・・・・・・・・雫。あいつの顔を見てると、苦しい。・・・・・・・桜の顔を思い出す。だから、見たくないんだ。」


お父さんが言った一言。


それだけで、私が傷つくには充分だった。


やっぱり、私じゃなくて、桜が大切なんだ。


今の私を見てはくれない。