「私もね!!私も、魁音のギターに救われてるの。今も!!だから、お互い様だよ。」


今、初めてちゃんと魁音に自分の気持ちを言えたと思う。


「・・・・・・本当の笑顔、初めて見た。」


ぽつり、魁音が呟いた。


あれ?


私、笑ってたのに。


「心から、今笑ったでしょ?」


「・・・・・・・た、ぶん。」


自分では気づかなかったけど、今のが私の本当の笑顔なんだ。


そっか。


いつしか本当に笑うことを忘れていたのかもしれない。


「魁音!!歌いたい!!なんか今すっごい歌いたい!!」


「了解っ!!じゃあ行きまっせーー!!」


魁音がギターを弾き始めた。


私は今の溢れそうな感情を言葉にして歌う。


あぁ。


気持ちいい。


歌うことを教えてくれた魁音。


いつまでも魁音と一緒に音を出していたい。