時は流れ、放課後。クラスメイトのいなくなった教室で、大神君に勉強を見てもらっていた。
「まず、歴史だ。今回の範囲は江戸時代だな」
教科書を開き、足を組みながら机に頬杖をつく。くそ、イケメンめ。
何をしてもさまになるなと思いながら、勉強にスイッチを切り替えた。
「江戸時代の最後の将軍の名前」
わかるか、と視線をよこしてくる大神君に私はフフンッと得意げに笑った。
『伊藤博文でしょ!!』
「ちょっと待て、まず伊藤博文は江戸の人じゃねーよ」
初っ端からズッコケはしたものの、大神君の教え方が上手い事もあって勉強は思いのほかはかどった。
もう、大神君。先生やれば言いと思う。