───…



作業が終わったのはうっすらと夕日が射し掛かった頃だった。



「疲れたぁー……」



まだ細かい物は残っているけど、とりあえず段ボールから全て出し終えた。それだけでもかなりの達成感。


もう動けない、と心の中で呟いて、崩れるようにソファーへと倒れ込んだ。


小さな震動が疲れた身体に伝わっていく。それがすごく心地好い。



「はぁ……」



真っ白な天井にはこ洒落たカタチの照明。

それをボーッと見つめながら明日からの事を考えた。




入学式まであと一週間。

来週の月曜日からは念願の高校生活が始まる。


不安の方が大きいけど、それでもこれから始まる高校生活の事を考えるとワクワクが止まらない。



勉強、友達、彼氏。

家族から離れたこの地で、あたしは様々な事を経験していく。


その中で最優先するのはやっぱり彼氏探しだ。


こっちに引っ越してきたのは彼氏を作るためだと言っても過言ではない。

実家にいたら絶対に彼氏なんて出来ないからね。


早くラブラブな彼氏作って貴兄と優音に自慢してやるんだから!


あの二人に負けないぐらいの格好良い彼氏見つけてやる!



“ぐぅぅぅ……”