僕と黒猫は、不敵な笑みをする沖田に引きずられるように連れてかれた。

そして、沖田に連れて来られたのは、甘味処………らしい。

僕は見えないから、沖田が教えてくれた。

「ゲッ……やっぱりここだ。」

甘い物が嫌いな黒猫は嫌そうな声を出す。

「神季君は、甘味食べた事ありますか?」

「………無いです。」

食べた事は一様あるが、ずいぶん前、まだ僕が4,5歳位の時だけ。

今まで、いくら想夜やモノノケの里の奴等にすすめられても、食べなかった。

別に甘い物は嫌いじゃない。

なんとなく、食べにくかった。

…………思い出したくなかったから。

「そうですか………じゃあ、食べてみましょう?」

え!?

「ちょっとま……」

「団子30本くださ~い♪」

沖田は、僕の制止も聞かず団子を注文する。

て、それよりも……

「30本!?」

どれだけ食べるつもりなんだ?

「え?おかしいですか?」