でーん!という効果音が相応しい登場をしたのは



「千春…」




近野 千春(こんの ちはる)、同じクラスで中学時代からの私の一番の親友だ。

私を壁から助けようとしてくれる唯一の存在。





「はぁ?何で芽依ちゃんが近野のなわけ?俺のだし」


「芽依をあんたみたいな不良に渡すわけないでしょ!?ふざけないで!」




ふわふわとした髪にぱっちりとした瞳。全身から溢れる癒しオーラ。


そんな大好きな親友は、壁とは私と同じく犬猿の仲だ。


今も両手を腰にあて私と壁の間に立ちはだかっている。と言っても185の壁と164の私の間に立つ147の千春に迫力は無い。


むしろ可愛すぎて抱き締めたいくらいだ。



千春も壁とは会う度に喧嘩をする。ただ私と違うところは壁も千春には喧嘩腰だということ。