ケータイ小説 野いちご

レンタル彼氏【完全版】

あれから伊織が客からの電話だ、と席を立ってもうかれこれ10分が経った。


外にいる伊織に目をやるとまだ携帯で話をしていた。
心なしかイライラしてるようにも見える。



……客ってレンタル彼氏の、だよね。

ってことは一応、恋人なんだよね。
今は。



……ちくん




ん?なんだ、このちくんって。
胸が痛いぞ?


その理由を考えてると伊織が戻ってきた。


がたん!と乱暴に椅子に座り、足を組んで貧乏ゆすりをしてる。
相当イライラしてるみたいだ。



「……伊織」


「……あ?」


不機嫌そうに返事をしながらギロリとこちらに目を向ける。
びくっとしたけど、それに負けてたまるか。



「今のあの彼女?」


「………チッ」


し、し、舌打ち?!


私、聞いただけじゃんか!
なんだ、どこまで嫌な奴なんだ?!


顔はよくても性格さいっあく!!

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