マジであり得ねぇ。



かといって、そんな女が姫になるのも気
に食わねえ。



矛盾してるだなんて、そんなのわかって
るけど。



あんな生意気女が、隣に並んでいいよう
な人じゃないんだよ、雅は。



むしろ、隣に並ぶことが赦される奴なん
てきっと、居ない。願うことすら、おこ
がましいくらいだ。



なのに。



「……チッ」



思わず、舌打ちする。



理解不能。理解しようとも思わない。



なんで雅が、あんな女を選んだのかなん
て、───知りたくもねぇ。



「……ここか」



類に渡された地図と、目の前の一軒家を
見比べた。



どうやらここが生意気女の家らしい。