稔麿様が”ここ”に来た日、私を助けてくれなったら私は身を売る事になっていたかもしれない



それどころか死さえ覚悟しなければなからかった



「天寿とは大袈裟だな、もし、こんな仕事をしていなかったら、君にはもっと幸せな他の道があったのかもしれないのだぞ?」



「幸せなど...私には似合わぬ言葉、今はこの日々が全てにございます」




そう、これ以上は望まない、望まないから...



そこまで考えるとグッと堪える秘めた想い





「そうか..」



「そうに..ございます」






夕日が山に隠れ、京の町が夜に包まれ始めた




望まない..


もう、私は望むことさえ...許されない