あのふたりが結婚した後も、あたしがずーっとこんな感情を柿崎さんに対して持っていたら、それは最悪だ。


だから本当に、今がすべてにおける最後のチャンスなんだ。


「七海、犯罪行為とかじゃなくてさ、試練って考えろよ」


「試練?」


「あぁ。これは俺たち全員に与えられた、運命の恋を確かめるための試練なんだ」


試練の先に答えがある。


運命の恋の、真実の相手は誰なのか。


それを知るために、試練を超えなければならないんだ。


このままだと、いつか爆発するのは目に見えている。


どっちにしろ破裂するなら、せめて最悪の状況下でだけは避けたい。


「この気持ちが暴発してしまう前に、大好きなお姉ちゃんを恨んでしまう前に、あたしは試練の道を進みたい」


「ああ。俺も一緒だ。七海」


あたしと大地は見つめ合い、ガッチリと握手を交わした。