「よくも、まあ、それだけの罪を思いつく。
 僕の義理の父王よ。
 ……そんなに僕が、怖いのか?」

「なに! 何を言うか!!」

 王は、激昂して、その指をキアーロにつきつけた。

「口の聞き方に気をつけよ!
 今述べた数々の罪状により、そなたを死罪にすることも可能なのだぞ!?」

「……僕が並みの貴族であれば、の話だろう?」

 余裕しゃくしゃくと、返すキアーロの言葉に、王の激怒は、増した。

「大きな口を叩けるのは。
 そなたが、何をしても許される立場だと思っているからか?」

「……」

「しかし、それは、そなたの思い込みにしか、過ぎぬ」

 言って王は、歪んだ微笑みを見せた。

「そなたにでも出来る責任の取り方と言うものがあろう?
 例えば。
 未だ世界を探しても見つからぬ、雨神の扉を開く魔法使いの探索とか。
 あるいは。
 ……そなた自身が、雨神の生け贄となるとか」

「……つまり。
 この騒ぎのあと始末は国外追放か、死罪だと?」