「昼間は働いてるんで・・・・・・あの、何かあったらまたいつでも声かけてくださいね」




「はい!ありがとうございます」




「田辺さんはおひとりで住まれるんですか?」




このハイツはひとりで住んでいる人もいるし、子供のいる家族もいる。






「主人とふたりです。実は新婚なんですよ!あの~お名前伺ってよろしいですか?」





先生はずっと玄関に名前は書いていなかった。



先生目当ての生徒が家に来て困ると言っていたから、結婚した今もそのままだった。






「あ、すいません。新垣と言います。よろしく」





「え?新垣・・・・・・さん?」






何だろう?



田辺さんはすごくびっくりした顔をした。






「はい。何か・・・・・・?」





「いえ。珍しいお名前だな~と思って。沖縄の方ですか?」




「よく聞かれるんですけど、違うんです」






ん~、何か引っかかる。






何だろう。



この人・・・・・・もしかして。