土方駅で朝早く待っていると、早坂と高田が汚れた作業着で現れた。



「お~お待たせ。じゃ行くか。」



パンチパーマの早坂が言った。


ロン毛の高田は、ペコリと軽く挨拶しただけで二人ともスタスタ歩き始めた。



駅前にライトバンが止まっていて、運転席と助手席に作業着姿の中年2人が座っていた。


その、後ろの席に早坂が卑屈におはようございますと言いながら乗り込んだ。


高田も同じように乗り込んで、加奈子ちゃんも乗ってと手招きした。



加奈子は、訳が分からず乗った。


運転席の不精ヒゲで髪を短くした男が聞いてきた。



「早坂ちゃん助っ人って女の子じゃん。
大丈夫なの?

使えなかったら、お金払わないよ。」



早坂が、早口で答えた。



「いやぁ、この娘は使えますよ。」


卑屈さが、滲み出ていた。



加奈子は、一体何をするのか不安になった。