「……シャワー、借りていい?」


「あぁ。タオルは新しいの置いてるから使って?」


「うん」



テーブルに手をかけた瞬間、指先にそれが触れた。


立ちあがったシュウさんも私の手元を見て……



「あれ?着信」



そう言って携帯を手にする。



見たくない。



見たく……


ないっ!



「じゃあ、借りるね」


「あっ、扉の右側だから」


「うん、ありがと」



シュウさんが携帯を操作しようとした。


私はそれから目を逸らして逃げるように浴室へと逃げ込んだ。



目の前の現実からも逃げ出したい……



そんな風に思いながら。