「いってーな」 後頭部を摩りながら、叶夜がこっちを睨んで来る。 「そんな訳あるか。なんも入ってへんねん」 もう一度鞄を振り落とすと、そのままスタスタと歩きだす。 「何度もいてーんだよ」 そんな叶夜の愚痴も無視しながら。