「ここから先も、見ますか?」


椿は迷わず頷いた。


「…当たり前でしょ。早く見せて」


また、映像が流れる。


『……貴女が、伊吹さん?』

『はい。…あの、貴女の名前は?』

『私は、茜。木島茜よ』


茜は歩き続けた。
新選組唯一の女隊士。木島茜。


二人はやがて道場に到着し、


『両者構えて…。──始めっ!』


土方の声で、試合が始まった。

その途端、


──スパンッ!!!!


『面あり!勝者、木島茜!』


…勝ったのは茜。

しかしこれは、伊吹の戦略だった。


──強かったら逆に怪しまれる。

もしも、流派なんて聞かれたら…。

だったらわざと負けて、教えてもらう。

それで、信頼性を持たせる。