家を出る時、
お父さんはどこかホッとしている表情だった。
一言もお父さんに声をかけられることなく、
私はおじいちゃんの車に乗った。
高速道路のライトが、
規則的に頭の上を通り過ぎて行くのを、
車窓からずっと眺めていた。
本当にこれでいいんだろうか、
おじいちゃんやおばあちゃんに、
こんなに迷惑をかけて、
甘えて……
たくさんの言葉が頭に浮かぶのに、
たくさんの言葉を二人にかけたいのに、
声に出そうとすると、
喉がつまる。
首を抑え、
涙がこぼれないように、
また、上を向いた。
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