「───う!優!朝だぞ!」

私は、聞こえる筈の無い声に起こされる。

「ちょっ!何で、お兄ちゃん部屋に入っているの?鍵掛けたんだけど!?」

お兄ちゃんは、ニコニコ笑って窓の方を指差した。まっ、まさか…。

「窓から入ってきた。…因みに、優の寝顔の写真を携帯で撮って、携帯からパソコンに送って、その写真を印刷して金庫にいれた。それと、俺の携帯の待ち受けは優の寝顔だ」

お兄ちゃんは、私に自分の携帯を見せてきた。本当に私の寝顔だったのだ…。

「うん!キモイね!」

「何とでも言え!この写真は、アイツらに見せるからな!」

「ちょっ、本当にヤメてよ! 」

私は携帯を取り上げようとしたけど、流石お兄ちゃん。窓から飛び降りて、怪我をしました。はい。相変わらずバカで変人でした。
私達の家は二階建てです。私達の部屋は二階にあるんです。

「今日は、良い月曜日だな!」

「そうですね。お兄ちゃんのせいで、近所の人達に心配や迷惑をかけて。誰が通報したのか、分からないけど何故か警察まで来て。それに、お兄ちゃんの怪我は軽傷という奇跡が起きて。普通は、骨折して歩けない程なのに。さっきから、ピョンピョン飛び跳ねて私の朝ご飯を邪魔してきて…」

「うぉーーー!!優、今日の星座占い10位だぞーー!俺、1っ…」

私の話を無視して、それに、お兄ちゃんが星座占い1位って事にムカつき私は。
お兄ちゃんの朝ご飯に、牛乳を満遍なくぶっかけてやりました。

「俺の朝ご飯が……」

「ごめん。手滑った」

「嘘だな!俺は絶望過ぎて、その場面をちゃんと見たけどな!朝ご飯を可愛く食べながら片手に牛乳パックを持って俺の朝ご飯に牛乳を満遍なくぶっかけてた所を俺は見逃さなかったぞ!」

「……………」

うっ……。可愛く以外は、当たってる……。よし、それなら……。

「……優、どうした?」

「お兄ちゃん……。私の事、信用してくれないの……?」

お兄ちゃんは、昔から私の嘘泣きに騙される。やっぱり、お兄ちゃんなんだなーと、思うね……。バカで変人。なんです…。
まぁ、私は最低な事をしてるのは、ちゃんと分かってます。でも、ムカつきました。

「いや、ちょっ!泣くなって!嘘だって!そうだよな!手滑ってたよな!おっ…俺はちゃんと見てたから!手滑ってたよ!だから、泣くなって!」

「……………」

お兄ちゃんが、許してくれたと思った私は顔を上げて朝ご飯を食べた。

「あっ、あれ?優……?」

「そうそう」

「なっ、なんだ?」

「お弁当に、お兄ちゃんの大好物のハンバーグ入れておいたから」

「……………」

お兄ちゃんは、目をウルウルさせて私に抱き付く。

「朝ご飯を食べさせて」

「優を食べさせて……」

お兄ちゃんは、私の耳元で囁いて耳にキスをした。私は、急な事でビックリしてお兄ちゃんの顔をグーで殴ってしまった。

「ちょっ……!!何するのさ!!」

「はっ、鼻が……。めっ、目がぁぁ……!!」

「ごっ、ごめん。やり過ぎた。大丈夫?」

私は、朝ご飯を食べるのを一時中止して、お兄ちゃんに近寄る。

「大丈夫じゃない……。もしかしたら、俺。死んじゃうかも……」

「はぁ……。そんな訳無いじゃん。で?どうすれば良いの?もう少しで、私の親友来ちゃうんだけど……」

「優を食べさせてくれたら一瞬で治る」

「うん。異常無し。早く、朝ご飯食べなよ?牛乳まみれの」

「うぅ……。でも、ドSの優に苛められるのも悪くない!」

「キモイから。…御馳走様」

「おぅ!学校頑張れよ!」

「うん」

私が、身支度を終わる頃に丁度親友が迎えに来た。