蒼空くんはあのあと、分かったら連絡すると言ってあたしを家まで送ってくれた。

あの日から、いつ連絡が来るだろうとドキドキしながら過ごしてる。


…安田さんの家には戻れてないけど。

葉太や春斗から来るメールも今だに一通も返せていない。

逃げてない、と言えば嘘になる。

急にのこのこと戻れる程、度胸のある人間じゃないことは自分が一番よく分かってる。


………また、言い訳だ。


今日は春斗が言ってた火曜日の放課後。

あたしが安田さんの家にカーディガンを取りに行くと約束した日。


1ヶ月くらい前まで毎日通っていたこの場所も、久しぶりに来るとやっぱり入るのを躊躇してしまう。

誰もいないというのは分かってるんだけど、ものすごく勇気がいる。


「ここだ…」

カーディガンを持って帰るだけ。