ケータイ小説 野いちご

運命みたいに恋してる。

運命のはじまり

 延々と歩き続けている国道沿いの道路から、少し住宅街寄りに道を曲がったとたんに、車も人通りも急に少なくなってしまった。


 なんとも心細い思いで立ち止まったあたしに、大親友の花梨(かりん)ちゃんが、実にシブい声で話しかけてくる。


「……ねえ、七海(ななみ)ちゃん」


 その声のテンションの低さに、あたしはビクッと肩をすくめてしまった。


 き、聞こえないフリ。ここはひとまず、聞こえないフリを貫こう。


「えーっと、たしかこの角を曲がってぇ……」

「ちょっと、七海ちゃん」


 めげずに、また花梨ちゃんが話しかけてくる。


 ……チッ。聞こえないフリは通用しないか。


 さすがに15センチ隣の人間の声が聞こえないってのは、無理があるもんなぁ。


「七海ちゃん。ちょっと七海ちゃんってば」


 ま、負けない。無視ムシ。


 ただいま不具合が生じております。しばらく時間をおいてから、再びアクセスしてください。


「おいコラァ! 聞いてんのか桜井七海(さくらい ななみ)――!」

「は、はい―――!」


 花梨ちゃんのドスの効いた怒鳴り声に、とっさに直立不動の姿勢で返事をしてしまった。


 完敗。うぅ、花梨ちゃん怖い~~。

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