ケータイ小説 野いちご

運命みたいに恋してる。

運命のつまづき

 あたしはスカートの生地を指先でイジりながら、ボソボソと、それでも一生懸命に謝罪の言葉を口にする。


「大地」

「んー?」

「……ごめん」

「んー、まあ、さすがに驚いたっつーか、ちょっと心配したけどな」

「ごめん。ホントごめん」

「何事もなかったんだから、いいんじゃね? べつにさ」


 大地がポンポンとあたしの肩を軽く叩いた。


 その手の重さとか、強さとか、大きさとか、それらの全部に慰められているようで、あたしはまた泣きたくなった。


 ごめんね大地。ごめんね。ごめんね、


 そんで……えと……。


「ありが、とう……」


 ぽん。ぽん。ぽん。


 大地の手が、あたしの肩を優しく叩く。


 ありがと大地。ありがとう。


「おい、良くないだろぜんぜん。七海はちゃんと反省しろ」


 渋い顔をしている優太郎にそんなことを言われて、カチンときてしまった。


「なによ、そもそもあんたのカン違いじゃん」

「目上の者に向かって、あんたとはなんだ」

「あんたで充分! 性根の腐ったイジメッ子のくせに!」


 机に頬杖ついて苦笑いしている優太郎に、あたしは食って掛かる。


 気恥ずかしいのと、情けないので居たたまれなくて、こいつを攻撃することで気を紛らわすしか方法がない。


 でもいいよね? こいつがイジメッ子だったのは周知の事実だし。


 ここはひとつ、カッチリ謝罪してもらおうじゃないの!


 警官なんだから、そこらへんは市民の模範になってよね!

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