「お疲れ様でーす」




「お疲れ様です」




署に戻ると、着替えとシャワーを済ませ、廉との待ち合わせ場所である警視庁ロビーまで行く。




「樹里」




「ごめんね、待った?」




待ち合わせ場所に行くと、既にそこにいた彼が迎えてくれた。




「いや、大丈夫だ。行くか」




「うんっ」




あたしは廉の隣を歩く。




警視庁を出ると、廉がそっと手を繋いできた。




「ふふっ、なんか照れるね?」




「うるせぇよ」




クスクスと笑い合う。




なんて幸せな時間なんだろう……。

















「ーー…廉?」




後ろから聞こえた女の人の声。




あたし達はゆっくりと振り返った。