……


[莉瀬]
「はぁ…。」


今日も部活を終え、

一人、
闇に染まった帰り道を歩いていた。


[莉瀬]
「今日も一人か…。」


…というのも、

両親は共に私が四歳の時に

交通事故で他界。


[莉瀬]
「母様…父様…」


私は業界トップの一流企業、

藤井コーポレーションの
社長である父と

副社長の母の間に生まれた

一人娘だった。


今は父の秘書の橘さんが

なんとかやってくれている。



…でもそれも時間の問題。


経済の事は幼い頃から

勉強させてもらってたから

大丈夫なんだが…



……でも…私で大丈夫か…?



そんな事を暗い夜道で
考えていたからかもしれない…。


向かってくる車に
気がつかなかった……



[莉瀬]
「……っ!!」


―キキーッ!!!



その状況は誰が見ても

もう諦めるに値するような
状況だった。


…しかし。