私が瑞希さんの元で働く様になって二週間が過ぎていた

相変わらず依頼は中々来ない…

もっぱら私は簡単な雑務をしながら古本屋の店番状態

「はぁ…暇だなぁ」

何かこれだと給料泥棒だよね

かといって瑞希さんの本業を手伝うって訳にはいかないしなぁ

何て事を考えながら空いた時間に古本を物色してはお気に入りの椅子に座って読んでいた

ガチャっとガラス戸の開く音がして本から顔を上げると…

スーツをビシッと着た男の人が立っていた

見るからに神経質そうなその人は私を見て

「君、誰?」

と言った