奥に進むにつれて入り口の光が届かなくなった。

どんどん暗くなる。

困ったな。このままじゃ真っ暗闇になっちゃう。

なにか役に立つ物、持ってなかったっけ?

あたしはバッグの中をゴソゴソかき回した。


ええっとぉ・・・。

UVファンデーション、リップグロス。

あぶらとり紙、手鏡。

ハンカチ、ティッシュ・・・。

財布・・・・・。



ハァ・・・。仕方ない。

まさかサバイバルになるとは思ってもみなかったもんなぁ。



でも心配はいらなかった。

洞窟が暗くなるにつれて壁に沿って、たいまつが置かれている。

充分とは言えないまでも歩く分には困らない明るさだ。

誰が設置したのかな?


時間が経つにつれて目も暗さに慣れてきたし。

周囲の状況が分かってきた。


ゴツゴツした岩肌。湿った空気。

大小、様々な大きさや形の岩。

平坦には程遠い歩きにくい地面。

ピチョン・・・と陰気に響く水音。


いかにも『これぞ洞窟!』ってカンジの洞窟。