〈有side〉


真太郎さんのドSっぷりを思い知らされた日から


私は翔真のマンションで暮らすようになった


大丈夫だよって言うのに、


「有は自覚が足りな」とか「油断できねぇ」とかなんとか言って、強引に引っ張ってこられた


でも、まぁ、あの日の出来事がきっかけで翔真からのプロポーズを受け


つい先日もうちの両親に挨拶を済ませれたから結果としては良かったんだけどね


うちの両親も、でかしたーなんて大喜びしてたし


ちょっとは親孝行になったのかな


全てが上手くいっていて


あまりにもトントン拍子なもんだから


まるで夢みたいだよ…


嘘から始まった関係なのに今、私の左手には


本物の輝きを放つ指輪がはまっている







「幸せだなぁ…」


「オレも」


翔真が私を抱き寄せるーー


そして


ーーー熱い熱い視線を送ってくる








って、ここオフィスだからね


「離れて」


翔真の体をゆっくり押し返す


「いいじゃ~ん。オレ達の事み~んな知ってるんだしさ、部長だって言ってたぞ、早く日取り決めてくれって」


プロポーズを受けてからの翔真は


いや、違うな


もう少し前


社員食堂で本性をさらけだしてからというもの


過度のスキンシップがまた復活しつつある