「良くないよぉ~。マカのバカぁ!」

「…うっさいな。抱き着くか罵るか、どちらかにしろ」

後日、ソウマの店に訪れたマカは、ハズミとマミヤ、そしてマリーにサクヤのことを告げた。

もしかすると、後にこの店に来るかもしれないからだった。

「婚約者候補って何だよ~。今時そんなの流行らないよぉ」

「そうは言ってもウチは代々そういう婚姻を結んできたんだ。まあとは言え、現代ではそうでなくても良いんだが…」

しかし文句を言う同属はいるだろう。

それを思い、マカは声なくため息を吐いた。

「けれど結局はそのサクヤってコも、マカの血と力、それに権力と地位が目当てなんでしょう? やぁね」

人間の女性の姿になったマリーは、眼をつり上げながら文句を言う。

「まっ、正直でいいさ。胡散臭いところは隠していないしな」