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壬生浪士組を騙り、強引な金策をしていた浪士に天誅を下すべく、腕利きの隊士が大阪に下った。


その腕利きとは芹沢鴨と近藤勇が率いる山南敬助、平山五郎、沖田総司、永倉新八、斎藤一、野口健司。そして六番隊組長の井上源三郎、監察方の島田魁の十名である。


すぐに浪士らを捕縛したが、別の時に些細なことが原因で力士と戦闘になってしまったのだ。


新撰組の腕利きを集っていたためか、相手が力士であったためか。新撰組に怪我人はなく、力士には1人の死傷者を出した。


その後、お互いに痛み分けということで、相撲部屋の親方らと和解し、友好関係を結んだ。


それが6月3日に起こった大阪力士乱闘事件である。









時は流れ、6月中旬。


稽古や巡察、監察の仕事がない光は、ぼんやりと縁側に寝そべって天井の木目を眺めていると、視界に逆さまの顔がうつった。



「随分、暇そうだな」