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光が壬生浪士組に入隊してから、早くも数週間が経過していた。


咲き誇っていた桜も、今では葉桜になり、京の人々に季節の変化を知らしめているようだ。


昼餉の時間は過ぎ、人々が一息吐く時間。


光は屯所の縁側で、壬生浪士組副長である山南敬助と一緒に座り、お茶をすすっていた。


「光さん、今日の稽古はあるんですか?」


「あ、いいえ。私は午前のみです」


他愛もない会話をしながら、僅かに冷たい風を頬に感じ、温かいお茶を飲む。


光にとって山南は、まさに『文武両道』という言葉が相応しい男であった。