ケータイ小説 野いちご

君を探して

1.オレ様、登場。
先生

素の自分ではどうにもできないことがある。
それでも、彼女との関わりを失いたくないんだ。


「……っていうことらしいよー」


今はお昼休み。

私の目の前にいるのは、ヤマタロ。


さっきの東雲の話をしているんだけど、あまり興味なさそうな顔でお弁当を食べている。

いつもは、陽人とチョコ、ヤマタロと4人でお昼を食べるけれど、時々、陽人とチョコは2人で「お弁当デート」をするんだ。

チョコは月に数回、気が向いたときだけ、陽人にお弁当を作ってくる。

だけど、チョコいわく料理は苦手で、下手なお弁当を人に見られるのが恥ずかしいというのだ。

……もちろん、私やヤマタロにも。


毒舌チョコにも、そんなかわいいとこがあるんだよね。


そういうわけで、チョコが手作りのお弁当を持参した日は、チョコと陽人は別行動。
私とヤマタロは2人きりだ。

時々、私は慎と、ヤマタロもほかの女の子や友達と、お昼を食べることがある。

まぁ……最近の私は、慎と食べることなんてなくなっちゃったんだけどね。


でも、私とヤマタロのなかには暗黙の了解がある。

それは、『陽人とチョコのお弁当デートの日には他の予定を入れない』というものだ。

だって、残された相手が1人になっちゃうから。

別に「そうしようね」って2人で話し合って決めたわけじゃないし、万が一そういう事態になったとしても、そのときはそのとき。きっと独りぼっちになるってことはないだろう。

でも、なんとなく、そのルールは守られ続けてきた。


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