本当のことは胸にはあるんだ。ただ、苦しくて言えなくて。 所謂、反語ってやつ。 「真尋ちゃん!」 ニコッと笑いかけてくれた輝くんにあたしも応じる。 最近、こういうのが多い気がする。サッカー部と関わってから距離感が縮まったというか。 「今からお昼?」 お弁当を持って屋上に行くところだ。彼は購買のパンを持っている。成長期の男の子って目覚ましく食べるよね。 「うん」