≪―涼side―≫
欠伸をしたら丁度、HRの終わりを知らせるチャイムが鳴った。
戦争の結果。結局〝変わらず俺が頭のまま〟という形で戦争は終了した。
その戦争から早いことに1ヶ月弱が経とうとしている。
温かい春。しかし窓の外の桜は満開の時期を大きく過ぎたからか、少し寂しい感じ。
「くっそー。また泉、囲まれてるし」
「本当だ」
遥が悔しそうに言った。泉の方を見ると数人の女子にちやほやと囲まれている。
当の本人はだいぶ迷惑そうだが。と言うか、戸惑った様子だ。
戦争での泉の強さを見ていた女子が泉の噂を広めたらしく。今では学校の有名人だ。
「助けに行ってやれば?」
「いーやっ、アイツには一度見捨てられたからな。助けになんて行ってやらねぇー」
「?」