螺旋階段を降りて一階に行くと
空室になっている左の部屋以外は電気が付いていた。

(102号室の奴には気を付けろって言ってたけど…どんな人なんだろう)

おそるおそる102号室に近付いていくと
私がチャイムを鳴らすより早く
おもむろにそのドアが開かれた。

「ん?……君は?」

中から出てきたのは
綺麗なブロンドの髪を持つ、20代半ばくらいの男の人。

目鼻立ちも完璧で奥二重の瞳は
微かに青色をしている。おそらくハーフだろう。
スラッとした体型にシンプルなYシャツがよく似合う。
まるでモデルみたい。


思わず見とれていると、その人は
小首を傾げて困ったような表情を見せた。


「あの…」


私は
「あっ、ごめんなさい!思わず見とれちゃいました」
って冗談混じりで言ったのだけど。

そう言った途端、彼の困った顔は
突然パッと笑顔になった。