「ちょっと真琴!ねぇ真琴、落ち着いて」



次の日の昼休み、お弁当もそのままに教室を飛び出そうとした私を引き戻そうと腕を引っ張っていたのは弥生で。


菜々美と真美子も私の様子がいつもと違う事に朝から気付いていたのか


援護するように弥生が引っ張っていた方と反対の腕と背中を掴んでいて



「ちょっと!離しなさいよ!」



絶対に昼休みにひっ捕まえて問いただしてやると思っていた私は3人に向かって怒鳴っていた。



「真琴!あんた何?何があったの?」


「朝から出てた不機嫌オーラの原因は何?」



菜々美と真美子は次々と言葉を投げてくるけど、私にはまともに話す余裕なんてなくて。



「だから離せって言ってるでしょ!」



バッとみんなの腕を振り払ってから、勢いよく教室を飛び出した。



あんの馬鹿が!



走りながら浮かんでくる顔は甘えた声を出す時の可愛い顔で。



「首洗って待ってなさいよ!」


愛!



纏わりつく湿気を振り払うように全速力で愛のいるF組へ向かった。